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合格体験記2021.09.06

4年で合格!myルールで挑んだ税理士試験


令和2年9月入社。
スタッフとして活躍中のメンバーの合格体験記です。

はじめに
 学生時代に何か資格を、と思い日商簿記2級を取得しました。その際経理の仕事につきたいと考え、事業会社の経理として仕事をしていました。
 この業界に入るきっかけは、プライベートでお会いした税理士の方に勉強を勧められたからです。国家資格で難易度が高いという知識はありましたが、学生時代は特に興味がなく、社会人になってからもこの仕事をすることはまったく考えていませんでした。当初は受験勉強期間の長さに非常に悩みましたが、「やると決めたからには本気でやる」「3年勉強して3科目受からなかったら勉強から足を洗う!」と最初に目標を設定し、受験を決意しました。

受験生活
〈1年目〉
 簿記論/財務諸表論
受験の初年度は事業会社で仕事しながら勉強を始めました。社会人生活に慣れ、勉強のやり方も忘れていたため、退社後1~2時間勉強するリズムを作ることからスタートしました。平日は計算問題を1時間ほどこなし、残りを理論に充て、休日は授業+復習というペースで進めました。
【計算】
簿記も財務諸表論も計算はトレーニングで基礎を反復し、総合問題はメモの書き方や記載場所をできるだけ固定することでミスやタイムロスを減らすことを意識して取り組みました。仕訳が一行で済むものや金額だけでいいものは問題に直接書き込む、T勘定の転記する科目・転記する位置を決めておくなど、自分なりのルールを定めたことで何がどこにどう記載してあるのか迷うことがなくなり、解き終えた後の見返しもスムーズに行うことができました。
【理論】
受験初年度だったこともあり、理論に苦戦しました。財務諸表論はよく「内容の理解」を求められますが、論点が作られた背景や流れを確認することを意識して解説を読むことで理解が進んだと思います。4月ごろまでは各答練の範囲のみ覚え、ゴールデンウィーク後から詰め込みを行いましたが、積み重ねがものをいうのでもっと早くから取り組むことをお勧めします。

〈2年目〉
財務諸表論/法人税法
法人税法は最初から2か年計画でしたが、2年目につなげるための勉強を意識しました。またこの年仕事を退職し、専門学校の添削のアルバイトのみで受験専念へ切り替えました。直前期までは平日と休日、直前期には専門学校にいる間と帰宅後で勉強のメリハリをつけていました。
【計算】
法人税法も簿財と同じようにまずトレーニングを反復し基礎固めをしました。税法科目は通達や質疑応答も出題されるため、範囲がとにかく広く苦痛に感じるかと思いますが、まずは基礎を網羅的にやることが大切だと思います。また、総合問題は答練や模試を解きなおし、申告書別表の形式になれるようにしました。ここはやはり実務経験者が有利だと思います。
【理論】
初めての税法科目ということもあり、読み方の基本もわかっていなかったため非常に苦戦しました。これは税法全般に言えることかと思いますが、柱上げができるように関連する理論の体系を流れで抑えることが大切だと思います。本試験にはCランク理論も作文できる程度には持っていきましたが、あきらめた理論もあります(全くおすすめはしません!)。また、計算と同じく質疑応答などからも出題の可能性がありますが、細かいものはキーワードを抑えて試験に臨みました。

〈3年目〉
 法人税法/消費税法
  はじめて1年を通して専念した年でしたが、前の2年より「落ちたら何も残らない」 という気持ちや決意とも闘う年でもありました。法人税法は前年を踏襲しつつ柱上げをできるように、消費税法は以下を意識して取り組みました。
 【計算】
 消費税法は個人的に問題量に対する時間が非常に足りない科目だと思います。今まで通り問題文にはメモを残しましたが、ほぼすべて一文字(課税売上は〇、非課税売上は△、課税対応仕入はA、など)で対応できるようにして時間短縮を図りました。また、消費税法は問題文を読み、課税売上・非課税売上・課のみ仕入・共通仕入などの判定が即座にできることが肝心なので、取引分類の判定は特に入念に取り組みました。
 【理論】
理論ベタ書きもありますが、事例問題が特徴的な科目だったと思います。計算にも記載しましたが、取引分類の判定はこの事例問題でもとても重要でした。最初はプロセスを文字に起こすことが難しく感じましたが、解きなおしを通じて苦手意識をなくすようにしました。

〈4年目〉
消費税法/相続税法
12月の合格発表により、無事3科目目が取れていたことから受験を継続することとなりました。また、そのタイミングで就職活動を行いあいわへの内定が決まりました。入社時期を試験後まで待ってもらい、受験最後の年とするべく勉強に取り組みました。
【計算】
相続税法の計算は相続人の判定・財産評価と相続税額を出すことを重視しました。特に相続人の判定はミスが致命的になるという意識でいました。財産評価は計算過程に配点が来ることもあるので省略しすぎないように注意をしましたが、本試験で評価額のミスをなくすことは不可能に近いので、最後まで解ききり税額を出してから評価の見直しをするようにしていました。
【理論】
相続税額の計算、非上場株式等についての納税猶予の特例など、類似論点を1つの単位としてまとめて抑えることを意識しました。また、非常に長く似たような固有名詞が多発する特徴があるため声に出して読むことで言葉の違和感に気づきやすくなるよう、固有名詞でのミスが減るように工夫しました。特に納税猶予の理論は、予習して授業に臨むと抵抗感が減り覚えやすくなりました。


 

大切にしたこと
計算では一貫してタイムロスを減らすこと、スピードを上げることを意識していました。細かい箇所でいえばマーカー等を使わず青ペンのみで解いていましたし、解き終えた後の見直しのためのメモも極力自分のルールを作って省略することでミスも減らす工夫をしていました。一方で総合問題はしっかり時間を取りました。問題によりおおよその目安があるためその時間を図り、目標時間よりいかにミスなく早く解ききれるかを意識して取り組みました。
理論では集中力が続かずスマホを見てしまうことを避けるため、できるだけ時間で区切る(10分毎に1科目目の計算→1科目目の理論→2科目目の計算→2科目目の理論→休憩と回す)ようにしていました。区切りのいい箇所ごとでなく「終わっていなくても」次の項目へ回し間に計算や別科目の理論を入れることで、さっきやった理論が正確に暗記できていないことに気づきやすくなる・覚えたつもりがなくなるためです(時間の単位は自分に合ったペースをお勧めします)。また本試験の際に、何について問われているかわからないときや、うろ覚えの理論が出題されることがあると思います。年1回の試験で空欄にしたくないという思いから、焦らず、書くと決めたタイトル(柱)をしっかり書くこと、試験委員に対し聞きたいことはこれですよね?としっかりアピールすることを意識しました。

おわりに
受験勉強を始める前、直前期は何時間勉強したという合格者の声を聴いてハードルが高い、そんなにかけられないと諦めたり、勉強している間(特に本試験に近づいてくると)、日々どれだけ勉強できたかということを考えたり、落ち込むことがあるかと思います。実際勉強して感じることは、一問に対する質を高めるために自分に合った方法を考えることがとても重要だということです。この体験記を読んでくださる人の中には仕事をしながら受験をされている方も多いと思います。私も受験初年度は勉強時間の捻出について考えると頭が痛くなりました。苦しい時間が長い受験生活ですが、与えられた時間は限られているので、質を高めるためにどうするのかということを考え、ぜひ自分に合った勉強スタイルを見つけていただけたらと思います。皆様が合格できることを祈っています。

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