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その他2025.12.19

育成室体験記~1つ1つの不安を払拭していく~


令和6年9月入社。
スタッフとして活躍中の女性メンバーの育成室体験記です。

 

はじめに

 私は業界未経験であいわ税理士法人に入社しました。入社当時は、消費税法以外の税法科目は未学習であり、法人税法に触れた経験もありませんでした。そのため、申告書を見ても何をしているのか理解できず、実務でどのような業務を行うのか全くイメージが湧かない状態でした。

 あいわ税理士法人では、業界未経験者はまず「育成室」で6か月間の研修を受けます。研修前は「6ヶ月後に本当に実務ができるようになるのだろうか」という不安がありました。
 本稿では、私が実際にこの育成室で行った具体的な研修内容や入社前に感じていた不安がどのように変化していったかをご紹介します。

研修内容とスケジュール

〈1ヶ月目〉
Web講義中心のインプット期間
 1ヶ月目は、Web講義を中心に基礎知識を学びました。法人税・消費税・所得税・地方税などの税法の基礎に加え、年末調整や法定調書といった経理実務についての講義も受講しました。
 まずは入門レベルの講義で基礎を身につけ、その後申告書でどのように反映されるのかを理解する流れになっているため、触れたことのない科目についても段階的に学習することができました。

〈2ヶ月目~3ヶ月目〉
申告書作成/質問対応
 2ヶ月目からは実際に法人税・消費税の申告書作成が始まります。最初は調整項目の少ない会社から取り組み、研修期間後半にかけて少しずつ調整項目が多い会社や税効果会計、外形標準課税のある会社へとレベルアップしました。申告書の作成には、実務と同じシステムを使用するため、より実務に近い形で研修を行うことができていたと思います。
 また、3ヶ月目頃からは、クライアントからの質問メールにどのように回答するかを検討する「質問対応」の研修も実施されました。

〈4ヶ月目~6ヶ月目〉
Web講義/月次帳簿レビュー/申告書作成
 Web講義では、外形標準課税やインボイス制度・賃上げ税制・印紙税などの講義を受講しました。1ヶ月目に比べて4ヶ月目以降にある講義は、より個別的な論点に特化した内容の研修となっています。
 月次帳簿レビュー研修については、実際に会社の帳簿を確認・レビューを行うという研修になります。帳簿レビューを行う目的やどのようなところがポイントになるのかについては事前にWeb講義で学習した上で実際にレビューを行うという研修の流れになっています。
 また、申告書の作成研修は引き続きありましたが、2ヶ月目~3ヶ月目の研修時と大きく変わった部分は、より実務に近い形で作業を行ったことです。具体的には、それまでは整理されている資料を使用していましたが、4か月目以降は、事業部配属後に担当予定の会社を研修の対象とし、実際にクライアントから受領した資料を精査するところから行いました。さらに、上席となる方と連絡を取り、期日を決めて作成に取り掛かりました。2ヶ月目~3ヶ月目は、完成までのスピードよりも内容の理解を重視して作成していたので、この研修ではかなり実務に近いスケジュール感を体験することができました。

【育成室での大まかな研修スケジュール】
育成室の大まかな研修スケジュール

研修を終えて感じたこと

 上記が育成室のスケジュール・カリキュラムです。育成室での研修期間中は、制限時間内にタスクを進めなければならないという決まりがありませんでした。そのため疑問点があればその都度立ち止まり、解消するまで調べる時間を確保することができます。一方、実務では常に期日があり、業務も1つだけではないので、時間の制限を気にせず疑問点、不明点を納得するまで調べたり、考えたりすることができる機会は少なくなってきます。そのためこの研修期間中の時間は貴重だったなと、事業部に配属されてから実感しました。

 また、6ヶ月間の研修では、インプットとアウトプットの両面から多くのことを学びました。申告書の作成が研修のメインにはなりますが、実際の会計ソフトを使用した帳簿のレビューや過去の質問事例、簡単な記帳作業などの業務にも触れられるため、実務のイメージが掴みやすくなりました。入社前までは、研修終了後の実務でどのようなことをしていくのかあまり想像ができていなかったため、業務内容について知る良い機会にもなっていたと思います。

 そして、約5ヶ月間通じて行った申告書の作成研修では、合計25社の申告書を作成しました。2ヶ月目に申告書を作り始めた頃と比べて、作成に要する時間が短くなったのはもちろんですが、どのような資料が必要なのか、どんな部分に気をつけなければいけないかなども意識できるようになっていたと思います。研修期間の後半については担当予定の会社の申告書を作成していたこともあり、事業部へ配属となった後の初めての決算では、短い期間の中でもスムーズに進めることができたので、研修の成果を実感することができました。

 研修開始直後までは、多くの不安がありましたが、この6ヶ月の研修期間を通じてかなりその不安は払拭されたと感じます。会計システムや申告システムの使い方については、5ヶ月間使用していったので、問題なく使用できるようになりました。上場子会社の申告書を作成できるようになっているのを実感できた時には、自信にも繋がりました。実務では会社ごとに論点や調整項目は異なり、課題も次から次へと出てくるため、この6か月間の研修期間で全ての不安を0にするのは難しいと思います。しかし、不明点や課題点すらわからない状態の研修前の不安とは違い、研修を通じて目的や理解を深め、前進したからこそ出てきた不安だったのかなと思います。また、研修後半になるにつれてより実務に近い形で、たくさんの上席の方と関わったり、担当予定の会社に触れる機会も増えていくため、事業部に配属となった月からガラッと状況が変化することなく、スムーズに実務に入っていくことができた点も良かったと感じました。

不明点の解消方法
 研修が進むにつれ様々な内容のものに触れる機会が増えていくため、まずは疑問に思い、不明点を見つけることを大事にしていました。そのうえで見つけた不明点については、その都度解消するように心がけていました。具体的には、Web講義を見直すことや、添削をしてもらった後に聞いてみるといった方法です。 Web講義は1回見て理解したつもりでも、実際にアウトプット作業をしてみたときに理解できていないということはよくあることだと思います。それに加えて、作業後に再度見返してみると1回目には理解しきれなかった部分や、気づかなかった部分についての知識を深めることができるので、多いものだと3回ほど視聴した講義もありました。Web講義を見直したり、自分で調べてみても不明点が解消できないときは、申告書を作成した後に添削して頂けるのでその時までに解消できなかった部分や、不明点をまとめて相談するようにしていました。
 また、解消した内容については復習も兼ねてノートやメモ機能を利用して整理するようにしていました。後日再度見返することで、理解が深まったり、同じところで躓くことがあった場合にも、1回目よりも短い時間で解消することができるため、その分違う論点に時間を使うことができました。

おわりに
 税法の知識は人によって差がありますが、業界未経験で入社する場合、不安を抱えている方は多いと思います。私自身もその1人でしたが、育成室の研修内容は充実していますので、6ヶ月の研修期間を通じて多くの不安に向き合い、1つ1つ解消していくことができました。
 その結果として、安心して、そして自信をもって事業部への配属を迎えることができたと感じています。

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